


全英女子オープン1978年〜2007年

第1回全英女子オープン(当時の名称は全英レディース・オープン)は、レディース・ゴルフ・ユニオン(LGU)のフラッグシップ・イベントとして、ヨークシャーのフルフォードGCで開催されました。イギリス人女子プロゴルファーは一握りしかいない時代、優勝したのはアマチュアのジェニー・リー・スミスでした。
翌年リンドリックで開催された大会では、ビビアン・サウンダースがこの大会を制した初のプロプレーヤーとなりました。1978年にはジャネット・メルビルがフォックスヒルズで勝利し、優勝の栄誉は再びアマチュアの手に渡りました。1979年のサウスポート&アインズデールのリンクスでは、アリソン・シェアードがミッキー・ウォーカーを3打差で降し、海外勢として初の優勝を手にしました。
第5回大会と第6回大会を制したのはアメリカのデビー・マッシーでした。1980年にウエントワースでベル・ロバートソンとマルタ・フィゲラス・ドッティに1打差で競り勝ち、1981年にノーサンバーランドで再びベル・ロバートソンを抑え栄冠を手にしました。1982年には、アマチュアで参加したスペインの24才、マルタ・フィゲラス・ドッティがロイヤルバークデールで優勝し、その年にプロに転向しました。
1983年は大会の開催がなく、1984年の大会では、日本の岡本綾子がウォーバーンGCCで並み居る強豪たちを大会記録の11打差で抑えて優勝しました。1985年にはアメリカのベッツィー・キングが、モアパークで マルタ・フィゲラス・ドッティを破り、タイトルを手にしました。翌1986年にはロイヤルバークデールのリンクスで、ローラ・デービーズがプロ転向後わずか2年目で優勝の栄誉を勝ち取りました。
1987年、ウィータビックス社が向こう20年にわたり全英女子オープンのスポンサーを引き受けることとなり、この年の大会はコーンウォールのジャック・ニクラウス設計の新しいゴルフコース、セントメリオンで開催されました。ディフェンディングチャンピオンのローラ・デービーズは、直前の全米女子オープンで優勝をあげ、全英、全米2つのタイトルを同時に持つ史上初のプレーヤーとしてセントメリオンに参戦しましたが、日曜日の午後、栄冠を手にしていたのはデービーズの親友、アリソン・ニコラスでした。ニコラスはパー5の最終ホールを強気なアプローチとパットでバーディーを奪い、デービーズは1打差2位タイに終わりました。
1988年ノッティンガムシャーのリンドリックGCでの大会では、アリソン・ニコラスは果敢にタイトル防衛をめざしたものの、オーストラリアのコリーヌ・デブナと南アフリカのサリー・リトルに1ストローク及びませんでした。劇的なサドンデス方式のプレーオフで勝敗を決したのは、2ホール目でデブナが放った8番アイアンでのアプローチショットでした。これをピンそば6フィートにつけバーディーを決め、デブナは全英女子オープンを制した初のオーストラリア人プレーヤーとなりました。
1989年の全英女子オープンは、英国各地のゴルフ場を巡回するという大会の伝統に従い、ドーセットのファーンダウンGCで開催されました。大会初日を5アンダー67の首位タイで終えたアメリカのジェーン・ゲデスが、終始試合をリードしました。ゲデスは2日目も67をマークし、2位に3打差をつけ一度も首位を譲ることなく最終2ラウンドを72と68で回り、2打差で優勝を勝ち取りました。
1990年からの7大会はいずれもウォーバーンで開催されましたが、1990年の大会では、スウェーデンのヘレン・アルフレッドソンが、劇的なサドンデスのプレーオフを4ホール目で制し優勝を果たしました。アルフレッドソンはこの勝利をステップに、その後ヨーロッパ、オーストラリア、日本、アメリカで勝利を重ね、1993年のナビスコ・ダイナ・ショアー選手権でもタイトルを獲得しました。アルフレッドソンは1991年の全英女子オープン、強気の攻めでタイトル防衛をめざしましたが、ほとんど無名の存在だったイギリスのペニー・グライス・ウッィタカーに優勝をさらわれ、2位タイに終わりました。
1992年にはアメリカのパティ・シーハンが、同じ年に全米女子オープンと全英女子オープンでダブル優勝するという偉業を成し遂げました。すでにアメリカでメジャー大会を3度制していたシーハンは、(その後4年間でさらに3勝する)大会期間を通じてトレードマークのニッカーズボン(プラスツーズ)でプレーし、12アンダーでフィニッシュしました。大会初日に長年のコースレコード68に並び、最終ラウンドでは6アンダー67という新記録をだしました。
1993年にはオースオラリアのカレン・ルンが新記録で優勝。通算17アンダー275という記録は、ウォーバーンで開催された全英女子オープン7回を通じ最小スコアとなり、2位のアメリカのブランディー・バートンには8打差をつけました。1994年にはスウェーデンのリサロッティ・ノイマンが、数週間前ターンベリーで行われた全英オープンでニック・プライスに敗れた同国人ジャスパー・パーナビクの1つ先を行き、スウェーデン人として2人目の全英女子オープンの覇者となりました。
1995年のウォーバーンの大会には、オーストラリアのルーキー、カリー・ウェブが、ほとんど無名の状態でプロとして初めてのフルシーズンに参戦。ウェブは全英女子オープン史上最強の出場者たちを抑え、2位に7打差をつける通算14アンダー278で優勝を遂げた後、1996年のアメリカのLPGAツアーでも4勝をあげる活躍を見せました。女子プロゴルフ史上初めて獲得賞金総額が100万ドルを超え、LPGA賞金ランキング1位に輝きました。
1996年の全英女子オープンには、前週、初優勝したばかりの若手プレーヤー、21才のアメリカのエミリー・クレインが参戦。第1ラウンドを68で回りトップタイにつけると、第2ラウンドで66というスコアをマークし、世界の強豪たちを突き離し、試合半ばにして2位に5打差の単独首位に立ちました。残り2ラウンドを71と72でまとめ、7打差で楽々とタイトルを手にしたのです。
ウィータビックス全英女子オープンが11年目を迎えた1997年、再び英国内の優良コースを巡回することとなり、サニングデールのオールドコースが舞台となりました。この大会でカリー・ウェブが、それまでの記録をすべて打ち破り、通算19アンダー269という驚異的な記録で二度目の優勝を飾りました。
続く全英女子オープン2大会では、ソルハイムカップ出場メンバーのアメリカのシェリー・スタインハウアーが制しました。1998年には、4日間を通して強風が吹きつけたロイヤルリザム&セントアンズの難しいコースを1打差で勝利、翌1999年にはウォーバーンでアニカ・ソレンスタムを1打差で降し、1981年のデビー・マッシー以来となる二連覇を達成しました。
2000年の大会はロイヤルバークデールの有名なリンクスコースで開催されました。ソフィー・グスタフソンが、最終ラウンド第1ホールでイーグルを奪い2位と9打差の大差をつけたものの、その後詰め寄られ、わずか2打差で逃げ切り、優勝しました。2001年には、全英女子オープンは再びサニングデールのオールドコースで開催され、このとき初めて、アメリカのクラフト・ナビスコ選手権、全米女子オープン、マクドナルドLPGA選手権と肩を並べる世界4大メジャーの一つに昇格しました。この大会では、最終ラウンドを首位と4打差でスタートしたパク・セリが、66というスコアをマークし、同じ韓国のキム・ミヒュンから優勝をもぎ取りました。
2002年にはターンズベリーのアイルサ・コースで、首位から3打差でスタートしたカリー・ウェブが最終ラウンドを完璧なプレーで66をたたき出し、勝利をつかみました。これにより全英女子オープン3度の優勝という偉業を達成した初のプレーヤーになるとともに、史上初のスーパー・キャリア・グランドスラム(5つの異なるメジャー大会での優勝)を達成しました。2003年にはロイヤルリザム&セントアンズで、誰もが認める世界No.1のアニカ・ソレンスタムが初めて全英女子オープンを制し、6つ目のメジャータイトルを獲得しました。サニングデールで開催された2004年の大会では、カレン・スタップルズが最終ラウンド1番パー5でイーグル、2番パー5でアルバトロスという驚異的なプレーで、カリー・ウェブの記録に並ぶ通算19アンダーをマークし、優勝を勝ち取りました。また、19才のミネア・ブロムクヴィストも本大会で第3ラウンドを10アンダー62で回り、メジャー大会1ラウンド最小スコア記録を更新しました。2005年には韓国のチャン・チョンが、ロイヤルバークデールで4ラウンドすべてをアンダー70で回り完全優勝を果たしました。
第30回大会、すなわちウィータビックス協賛による20回目の大会は、昨年ロイヤルリザム&セントアンズで開催され、シェリー・スタインハウアーがクリスティ・カーとソフィー・グスタフソンを3打差で降して史上2人目となる全英女子オープン3度優勝の偉業を成し遂げました。この年を最後に、ウィータビックスは全英女子オープン選手権大会の冠スポンサーを降り、翌2007年、デジタルオフィスソリューションのグローバルリーダーであるリコーが、ウィータビックスに代わって新しい冠スポンサーになりました。アジアでは女子ゴルフが高い注目を浴びており、すでに日本のLPGAツアーのリコーカップをスポンサーしているリコーにとって、全英女子オープンのスポンサーになることは自然の展開でした。
2007年の全英リコー女子オープンは、「ゴルフの聖地」で開催された史上初の女子プロトーナメントとして歴史にその名を残しました。セントアンドリュースのオールドコースでは、メキシコ出身のロレーナ・オチョアが2位タイの韓国のジーヤン・リーとスウェーデンのマリア・ヨースに4打差で優勝し、メジャー初制覇を果たしました。2008年の全英リコー女子オープン選手権大会は、イギリスバークシャー州サニングデールGCのオールドコースで開催されます。
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